選択的記憶は、過去の出来事を偏った形で記憶し評価する原因となり、ギャンブラーや投資家にとって非常に危険です。その結果、誤った判断を下しやすくなります。以下の理由が挙げられます。
1. 成功の幻想を生み出す
- ギャンブラー: 大きく勝ったときの記憶は鮮明に残る一方で、負けた記憶は軽視または忘れがちです。そのため、自分には勝つ才能があると錯覚し、確率が不利であるにもかかわらず賭け続けてしまいます。
- 投資家: 利益を得た投資のことばかりを記憶し、損失を忘れてしまうことで、自分の投資能力を過大評価し、過剰なリスクを取るようになります。
2. 「あと少しで勝てた」と思い込む
- ギャンブラー: 惜しくも負けた経験を強く記憶することで、「もう少しで勝てた」と思い込み、さらなる賭けを続けてしまいます。
- 投資家: 投資がもう少しで利益を出せそうだったのに損失に終わった場合、それを「運が悪かっただけ」と考え、分析の誤りを認めずに同じミスを繰り返す可能性があります。
3. 失敗から学ばなくなる
- ギャンブラー: 負けた記憶を都合よく忘れることで、「ギャンブルは胴元(カジノなど)が有利に設計されている」という現実を認識せず、賭けを続けてしまいます。
- 投資家: 過去の失敗を振り返らないため、戦略を改善せず、市場の流行に流されたり、感情的な投資判断を繰り返すことになります。
4. コントロールできるという錯覚を生む
- ギャンブラー: サイコロを振る、ルーレットを回すなど、完全に運に左右されるゲームでも「自分は結果をコントロールできる」と思い込んでしまいます。
- 投資家: 「市場の動向を正確に予測できる」と過信し、分散投資を怠るなど、無謀な投資をしてしまうことがあります。
5. リスクの高い行動を助長する
- 成功体験や「惜しくも勝てなかった記憶」ばかりを残してしまうと、ギャンブラーも投資家もリスクの高い決断を繰り返し、結果的に大きな損失を被る可能性が高まります。
まとめ
選択的記憶は現実の認識を歪め、ギャンブラーや投資家に非合理的な判断をさせてしまいます。その結果、損失を重ね、リスクの高い行動を続けてしまう危険性があります。
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