細い通りの突き当たりに、色あせたひさしの下にひっそりとたたずむ時計修理店がある。店の看板は大きくなく、茶色い木の板に青い分針が一本描かれているだけだ。長年、日差しや雨にさらされて、塗料はところどころ剥がれているが、看板の二本の針は今も正しい時刻を指している。通りの人々はその場所を、レンさんの店と呼んでいたが、彼の本名を知る者はほとんどいなかった。
レンさんはあらゆる種類の時計を修理した。ガラス面に傷のついた腕時計、持ち主が亡くなった日から止まったままの振り子時計、そして新しいものを買ったほうが修理に出すより簡単だと思われがちな安い目覚まし時計まで。彼は、その品物にどれほどの価値があるのかを客に尋ねることは決してなかった。ただ布の上に置き、裏蓋を開け、どの歯車がずれているのか、どのばねが弱っているのか、どんなほこりが機械を動かなくしているのかを、辛抱強く探した。
店の中にはいつも機械油と古い木のにおいが漂い、いくつもの時計のチクタクという音が重なっていた。その音を聞くと、いらいらする人も多かったが、レンさんにとっては最も穏やかな音だった。彼は、時計にはそれぞれ固有のリズムがあり、それは人それぞれが人生を歩んでいく方法と同じだと言った。速く進む人もいれば、ゆっくり進む人もいる。止まってしまったように見えても、本当はただ、十分に辛抱強い手を必要としているだけの人もいるのだ。
いつも遅れて来る少女
雨季の始まりのある午後、アンという少女が店に入ってきた。十二歳くらいで、袖口が擦り切れた黄色いレインコートを着ていた。手には小さな目覚まし時計を持っていた。白いプラスチックのケースで、ガラス面には斜めにひびが一本入っていた。
「おじさん、これを直してもらえますか?」アンは時計を机の上に置いた。
レンさんはそれを持ち上げ、軽く振ってから耳を当てた。「できるよ。でも、ひどく壊れてはいない」
「もう鳴らないんです。明日は早く起きないといけなくて」
「どこへ行くんだい?」
アンはうつむき、ガラス面のひびを指でなぞった。「七時前に学校へ行かないといけないんです。これ以上遅刻したら、先生が絵の選抜チームに入れてくれないって、母が言いました」
レンさんは、なぜ母親に起こしてもらわないのかとは尋ねなかった。ただ時計の裏蓋を外し、小さな刷毛で歯車の周りに付着した薄いほこりを払った。アンはじっと見つめていた。何も言わなかったが、彼の手の下で起こる小さな動きから目を離さなかった。
「もう帰っていいよ」と彼は言った。「明日の朝、取りにおいで」
「いくらですか?」
「直してから決めよう」
アンは首を横に振った。「これしか持っていません」
彼女はポケットから小銭を三枚取り出し、机の上にきちんと並べた。レンさんはそのうち一枚を彼女のほうへ押し戻した。
「二枚で十分だ」
「でも、まだ直し終わっていないのに」
「じゃあ二枚だけ置いていきなさい。明日の朝、時計が動いていたら、私がもらう。動いていなければ、返そう」
アンはしばらく考えてから、うなずいた。ドアを出る前に振り返り、尋ねた。「おじさんは、遅刻したことがありますか?」
レンさんは笑った。「もちろんあるさ。誰だって一度は遅刻する」
「でも、おじさんは時計を直すのに」
「時計を直せるからといって、時間を操れるわけじゃないんだよ」
店を訪れる人々
翌朝、通りがまだ混み合っていないうちに、アンはやって来た。目覚まし時計は動いていて、ベルの音は少し濁っていたが、十分に大きかった。レンさんは古いぜんまいを一本交換し、ガラス面をきれいに拭いた。追加料金は取らなかった。
それ以来、アンはよく店に立ち寄るようになった。初めのうちは時計の様子を確かめるためだった。その後は、レンさんの話を聞きながら座っているのが好きで来るようになった。彼は、娘の結婚式の日に時計が正確に動いていてほしいと願って修理に持って来た人の話をした。引っ越しの後、十年間段ボール箱の中に入っていた掛け時計を元に戻してほしいと訪ねてきた人の話もした。ある年配の女性は、夫の懐中時計を持って来た。時計がまだ動くからではなく、夫が仕事に出かける準備をしていた朝のように、蓋が開く音をもう一度聞きたかったからだった。
アンは尋ねた。「もし時計が直らなかったら、どうするんですか?」
「きれいに拭いて、きちんとした場所に置くんだ」
「それで何の役に立つんですか?」
レンさんはドライバーを置いた。「もう時間を測るためには使えないものでも、自分がかつて誰かを愛していたことを思い出させてくれるものはあるんだよ」
アンはその言葉をすべて理解したわけではなかった。ただ、レンさんの店には窓のそばに木の棚があることを知っていた。棚には修理できなかった時計が置かれていた。針を失ったもの、文字盤が割れたもの、さびついたもの、ほとんどの部品を交換してもなお沈黙したままのもの。それぞれに、持ち込んだ人の名前と持って来た日が小さな紙に記されていた。売値はついておらず、返却されることを示す印もなかった。
「どうして捨てないんですか?」アンは尋ねた。
「まだ、それらを手放す準備ができていない人がいるからだよ」
大時計が止まった日
その年の冬、通りの端にある古い建物に掛けられた大時計が、突然動かなくなった。その知らせは早朝から人々の耳に入った。その時計はあまりにも長い間そこにあったため、多くの子どもたちは、通りよりも前からこの世に存在していたのだと思いながら成長した。毎正時、時計の鐘の音は屋根々に響き、飲食店や教室、窓の開いた部屋の中へと入り込んでいた。
建物の管理人は別の職人を呼んで見てもらった。その人は、機械が古すぎるので新しいものに交換したほうが早いと言った。しかし、向かいの家に住む老人はどうしても納得しなかった。彼はレンさんの店を訪ね、修理を試してほしいと頼んだ。
「もし直せなかったら、どうするんです?」老人は尋ねた。
「できないなら、できないと正直に言います」
「では、もし直せたら?」
「動くようにはなりますが、最初の日のようには戻りません」
レンさんは道具を持って建物へ向かった。アンもついて行った。二人は午前いっぱいかけて、機械の各部分を一つずつ取り外した。内部の歯車には厚いほこりの層が積もっていた。回転軸は曲がり、鐘には縁のところにひびが入っていた。
アンは布の上に広げられた部品を見ながら尋ねた。「もし直せなかったら、悲しいですか?」
「悲しいよ」
「それなら、どうして続けるんですか?」
「悲しいからといって、意味のある仕事を断る理由にはならないからだよ」
二人は夕方まで作業を続けた。レンさんは回転軸をまっすぐに直し、倉庫から合う歯車を探し出し、薄い金属片で鐘を補強した。機械を元に戻すと、時針が少し動いた。分針は震え、止まり、それから再び動き始めた。
午後六時ちょうど、最初の鐘の音が通りに響き渡った。音は以前のように澄んでおらず、少しかすれて鈍かったが、人々は皆、顔を上げた。向かいの老人は窓辺に立ち、手で目を拭った。アンはレンさんを見た。職人の顔は油で汚れ、両肩はひどく疲れていたが、六つ目の鐘の音を聞くと、ただ微笑んだ。
「完璧じゃないですね」とアンは言った。
「完璧でなくても、大切な瞬間を刻むことはできるんだよ」
時計の針では測れない時間
数か月後、アンの母親が治療のため入院することになった。もともと小さかった家は、いっそう静まり返った。アンは店に規則的に通えなくなった。祖母の料理を手伝い、弟の面倒を見、自分の勉強のことも自分でしなければならなかった。古い目覚まし時計は机の上に置かれたままだったが、ほとんど一晩中起きていたため、ベルの音が聞こえない日も多かった。
ある午後、アンは目の下にくまを作って店の扉を押し開けた。レンさんはすぐには何も尋ねなかった。温かい水を一杯注いで彼女の前に置き、それから小さな時計を差し出した。
「これは誰の時計ですか?」
「私のだよ」
「私にくれるんですか?」
「いや。しばらく預かっていてほしいんだ」
アンは時計を手に取った。それには秒針がなく、時針と分針だけがあった。文字盤は色あせていたが、目盛りは一本一本はっきりしていた。
「これは一日に二分遅れるんだ」と彼は言った。「直そうとしてはいけないよ」
「どうしてですか?」
「世間の人たちと同じリズムで、必死に走らなくてもいい日があることを覚えておくためだよ」
アンは時計の文字盤を見下ろした。母親のこと、終わっていない宿題のこと、絵の選抜チームに選ばれなかったら自分の努力がすべて無駄になるのではないかという恐れについて、彼に話した。レンさんは耳を傾け、ときおりうなずくだけだった。彼は、強くならなければいけないとは言わなかったし、すべてうまくいくとも言わなかった。アンが話し終えると、ただきれいな布を一枚差し出した。
「悲しんでもいいんだよ」と彼は言った。「でも、悲しみを理由に、明日にはもう待つ価値のあるものが何もないと結論づけてはいけない」
その後の日々も、アンは熱心に絵を描き続けた。母親の病室、やせた手で自分の手を握る母親、窓辺に置かれた水の入ったコップ、そして一日に二分遅れる小さな時計を描いた。絵は選抜チームには選ばれなかった。先生は、まだ本当に完成された絵ではないが、何かとても誠実なものがあると評した。
アンは悲しかったが、初めて、自分が完全に失敗したとは思わなかった。彼女は絵をレンさんに見せるため、店へ持って行った。彼はそれをカウンターの後ろの壁に掛けた。そこにはそれまで、数本のドライバーといくつかのぜんまいしかなかった。
「どうして掛けるんですか? この絵、きれいじゃないのに」
「心配ごとを抱えているときでも、人は絵を描けるのだと、私に思い出させてくれるからだよ」
職人が時計を修理しなくなったとき
何年もの月日が流れた。小さな通りは変わり、古い店々は次々に塗り直された。通りの端の建物には今も大時計があり、鐘の音は弱くなったものの、完全に消えることはなかった。アンは成長し、遠くの学校へ通ってから、デザイン工房で働くために戻ってきた。家に帰るたび、彼女は必ずレンさんの店に立ち寄った。
しかし、ある雨季のこと、店はひっそりと閉ざされていた。尋ねてみると、レンさんは目を患い、もう小さな部品がよく見えなくなったのだという。時計を預かって、持ち主を待たせることになるのが嫌で、彼は完全に仕事を辞めるつもりだった。
アンが店に入ると、壁の時計は今もチクタクと音を立てていたが、修理台にだけ薄くほこりが積もっていた。
「本当にもう修理しないんですか?」
「目がよく見えなくなったからね」
「私が代わりに修理できます」
レンさんは笑った。「君はまだ、ベルトを替えてほこりを払うことしか知らないだろう」
「それなら、続きを教えてください」
何か月もの間、アンは毎日の午後に店へ通った。機械の種類ごとの音の違いを見分けること、小さなねじを回すときに力を入れすぎないこと、分解する前に時計の状態を記録することを学んだ。それ以上に大切なこととして、なぜその品物を修理したいのかを客に尋ねることを学んだ。使うために時計が必要な人もいる。思い出と結びついたものが、まだ忘れ去られていないと知りたいだけの人もいる。
レンさんは自分の手をはっきり見ることができなくなっていたが、それでも機械の一つ一つのリズムを聞き分けることができた。彼は隣に座り、ゆっくりした声でアンを指導した。初めのうち、アンはいくつかの時計を壊してしまった。動きが速すぎるもの、カタカタと音を立てるもの、分解した後で元どおりに組み立てられなくなったものもあった。彼女は意気消沈し、やめたくなった。
「私には、おじさんのような手はありません」とアンは言った。
「そうだね」と彼は答えた。「そして私にも、君の手はない。職人を目指す人は、教える人の複製になる必要はないんだ。この仕事がなぜ続けるに値するのか、それを理解すればいい」
年の終わりに、レンさんはアンに店の鍵を渡した。引き継ぎの式をすることも、仰々しい言葉を語ることもなかった。ただ、月に一度は看板を拭くことと、まだ直せていない時計を急いで捨てないことを覚えておくように言った。
「まだ、それらを手放す準備ができていない人がいるからですね」とアンは繰り返した。
レンさんは微笑んだ。「今はもう、君にもわかったね」
チクタクという音の後に残るもの
レンさんが亡くなった後も、アンは窓辺の木の棚をそのまま残した。古い時計はきれいに拭かれ、静かに並べられていた。何年もたってから、親族が引き取りに来たものもあった。名前と日付を記した紙片が色あせていく中で、いつまでもそこに残るものもあった。
店は今も時計を修理しているが、アンは通りの子どもたちが座って絵を描ける小さな机も置いた。子どもたちがただ歯車の動きを眺めたいだけのときは、料金を取らなかった。ときどき彼女は、レンさんの話や、一日に二分遅れる時計の話、そして通りの端にある建物がかつて鐘の音を失ったことについて話した。
アンは、時間が時針や分針、あるいは時刻どおりに鳴る鐘の音だけで測られるものではないと理解していた。時間は、誰かを待って座る人の忍耐の中にも、古くなった品物を手元に残す手の中にも、急がずに耳を傾ける言葉の中にも、完璧にはできないと知りながら意味のあることを続ける決意の中にもあるのだ。
毎朝、店を開ける前に、アンは遅れていたり進んでいたりする時計を調整した。ただ一つ、レンさんの時計だけはそのままにした。それは今も一日に二分遅れている。そしてそれを見るたびに、アンは人生がいつも一秒単位で正確に到着することを求めているわけではないのだと思い出した。ときには、今起きている瞬間に心から存在し、そばにいる人を大切にし、古くなったもの、難しいもの、まだ完璧になれないものだからという理由だけで、急いで手放さないことのほうが大切なのだ。


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