ヴァン・バイ村のはずれには、丘の斜面に沿って延びる石の道がある。山桃の茂みや古い竹やぶの間を、曲がりくねりながら通っている。道幅は広くなく、二人がやっとすれ違えるほどだが、かつては下の集落から川向こうの市場へ通じる唯一の道だった。毎年の増水期、川が水位を上げてトウモロコシ畑や岸辺の小道をのみ込むと、村人たちは安全な場所へ行くため、決まってその石の道を通った。
この道がいつ造られたのか、知る人はいない。石板は雨や日差し、人々の足に踏まれてつるつるに磨かれ、多くの場所が緑の苔に覆われている。木の根に押し上げられ、低い隆起になっているところもあった。村の老人たちは、この道を若い頃のラムという石工が造ったのだと話していた。彼は山のふもとから一つひとつ石を運び、平らに削って地面に敷き詰め、十二年もの歳月を費やしたという。だが、村の入り口近くにコンクリート橋が架けられると、道は次第に忘れられていった。人々は早く着く新しい道を通り、石の道には、乾いた葉の音と、静かな道を好む者たちの足音だけが残った。
丘の斜面に暮らす石工
ラムはその道のすぐそばにある小さな家で暮らしていた。七十歳をとうに過ぎ、背中は風に吹かれた竹の枝のように曲がり、節くれだった両手にはいつも小さな擦り傷があった。毎朝、竹ぼうきを手にして道の上の葉を掃いた。夕方になると、桶を抱えて石垣沿いに咲くマツバボタンに水をやった。村人たちは、もうほとんど誰も通らない道を、何のために苦労して手入れするのかと、よく彼をからかった。
ラムはただ笑った。道は、人が大勢通らなければ守る価値がないというものではない、と彼は言った。毎日目にされるから存在するのではなく、いつか誰かが必要とするかもしれないから存在するものもあるのだ、と。
彼には、幼い頃から一緒に暮らしているアンという孫娘がいた。アンの両親は遠くで働いており、何年かに一度しか帰ってこなかった。アンは、湿った石と台所の煙、そして毎朝絶え間なく聞こえる竹ぼうきの音のする家で育った。少女は古い道が好きではなかった。屋根は修理が必要で、井戸はさらわなければならず、それなのに祖父は日に日に弱っているというのに、役に立たないことに時間をかけすぎていると思っていた。
祖父が葉を拾っているのを見るたび、アンは尋ねた。
「おじいちゃん、どうしてこの道を守っているの?」
ラムはいつも、苔にまだらに覆われた石板の方を見て答えた。
「後から来る人が、何もないところから始めなくてすむようにだ」
アンにはその言葉の意味が分からなかった。ただ祖父が、古くなった習慣を続けるために、もっともらしい理由を探しているのだと思っていた。
増水の季節
アンが十六歳になった年、大雨が三日間降り続いた。黒い雲が山並みをすっぽり覆い、上流から濁流が渦を巻きながら押し寄せてきた。それまで穏やかだった川は低地の河原へあふれ、木の枝やわら、岸辺の小屋から流された板切れを巻き込んだ。
新しく造られたコンクリート橋は、片側を土砂にふさがれた。水位が急速に上がり、下の集落の人々は食料を買うために市場へ渡れなくなった。停電し、電話はつながったり切れたりし、村役場のスピーカーの音が雨の中で途切れ途切れに響いた。大人たちは慌てて家財道具を高い場所へ運び、子どもたちは傾斜地に建つ公民館へ連れて行かれた。
三日目の午後、集落のはずれに住む一家が、タムおばあさんが低い家の中に取り残されていることに気づいた。彼女は一人暮らしで、足が弱く、庭の周りで増水している流れを自力で渡ることができなかった。息子は遠くで働いており、近所の人たちは助けようとしたが、丘の裏手にある高台へ安全に上がる道がまだ残っているのか、誰も知らなかった。
知らせを聞いたラムは、すぐに古い懐中電灯と雨がっぱを取り出した。アンも後を追い、祖父の手をつかんだ。
「こんな時にどこへ行くの?」
「タムさんを公民館へ連れていく」
「でも橋はふさがってる。下の道も水につかってるよ」
ラムは答えなかった。石の道の方へ曲がっていった。アンは立ちすくんだ。これまで何年もの間、苔に覆われたあの道が、大きな洪水の中でどこへ自分たちを連れていけるのかなど、一度も考えたことがなかった。
初めのうちは道はまだ乾いていた。だが高く登るにつれ、土の溝から水が流れ出し、石の上に小さな川となって広がっていた。ラムは先に進み、杖で一歩ずつ確かめた。苔の厚い場所では立ち止まり、足で泥を払ってから先へ進んだ。アンは後ろから、祖父を支えながら懐中電灯を照らした。
短いはずの道は、突然、果てしなく長くなった。暗闇の中で、ずぶぬれになった茂みが二人の肩をこすった。丘のふもとでうなり声を上げる水音と雨音が重なり、二人は互いに聞こえるよう大声で話さなければならなかった。
タムさんの家に着いた時、水はもう戸口の段まで達していた。おばあさんは怯え、家族の写真を入れた木箱を守りたいと言って、どうしても立ち去ろうとしなかった。ラムは言い争わなかった。板を一枚取り出して木箱を高いところに縛りつけ、それからおばあさんを背負った。アンは後ろから、滑らないようにおばあさんの腕をしっかり抱えた。
戻る途中、ラムの足元の石板が突然沈み込んだ。彼はよろめいて倒れ、膝を石の縁に強くぶつけた。アンは急いで彼を支え、タムさんは道端の竹の幹につかまった。その瞬間、アンは石の表面に刻まれた小さな印を見た。葉の形をした印のある石もあれば、流れる水のような曲線の印もあり、かすかな線がいくつか残るだけの石もあった。
ラムは苦しそうに息をしながらも、アンに示した。
「昔はな、一区切り造り終えるたびに、こうして印を刻んだ。自分がどこまで進んだか忘れないように」
「本当に一人で造ったの?」
「いや、手伝ってくれた人がいた。ただ、その後、みんな忘れてしまったんだ」
苔の下に刻まれた印
二人は空が明るくなりかけた頃、タムさんを公民館まで連れていくことができた。古い道の知らせは、すぐに村中へ広がった。そのおかげで、下の集落の多くの家族が、洪水が家の床まで達する前に、次々と高台へ移動できた。ラムが役に立たないものを守っていると思っていた人々も、道について尋ねるため彼のもとを訪れ始めた。
ラムは膝が大きく腫れ、数日間横になって休んだ。アンは彼の代わりに道を掃いた。初めて、彼女は一枚一枚の石板の上をゆっくり歩き、時間に覆い隠された印をかがんで見つめた。それらがでたらめな記号ではないことに気づいた。印の一つひとつには、かつて力を貸した人の名前や姿が記されていた。石を担いだ人、溝を掘った人、竹を植えた人、山へ食事を運んだ人。ずっと昔に村を離れた人たちの印もあった。
アンはそのことを祖父に尋ねた。
ラムは長い間黙っていたが、やがて、彼がまだ少年だった頃の大洪水の後に道が造られたのだと話した。その年、木の橋が流され、多くの村人が取り残された。ラムの父親は、次の増水期に誰も孤立しないよう、丘へ上がる道を開こうと提案した。最初はみんなで力を合わせた。だが作業が長引くにつれて、途中でやめる人が少しずつ増え、最後には数人の根気強い者だけが残った。
その中には、気の短い大工のクイさんもいた。クイさんは、道は手間がかかりすぎると考え、ラムの父親と口論したことがあった。二人は何年も互いに腹を立てていた。道が完成した時も、クイさんは開通の集まりに来なかった。その後、亡くなる前に、古いのみをラムに送り、最後の区間に自分の名を刻んでくれと頼んだ。
「おじいちゃんは刻んだの?」とアンが尋ねた。
ラムはうなずいた。
「あの人は最初の頃から力を貸してくれたからな」
「でも、二人は怒っていたんでしょう?」
「誰かに腹を立てたからといって、その人がした良いことまで全部消さなければならないわけじゃない」
その言葉を聞いて、アンは母親のことを思い出した。何年も前、両親はアンを連れて都会で暮らしたいと言い、ラムと口論したことがあった。ラムは同意しなかった。当時アンはまだ幼く、よく病気をし、両親の仕事も忙しすぎたからだ。口論の後、両親は怒ったまま去り、帰ってくることはほとんどなかった。アンはずっと、祖父が自分を引き留めたのは自分勝手だったからだと思っていた。だが、祖父が本当は何を考えていたのか、一度も尋ねたことはなかった。
その日の午後、アンは軒先に座り、瓦屋根を打つ雨音を聞いていた。ラムが古い木箱を持ってきた。中には、何年も前にアンの両親が送った手紙が入っていた。黄ばんだものもあり、インクの文字がにじんでいるものもあった。ラムはアンに隠していたわけではない。ただ、アンが尋ねたことがなかったのだ。
「どうして私に渡してくれなかったの?」
「手紙には、大人同士で話すべきことが書かれていたからだ。お前をどちらかの味方にしたくなかった」
アンはうつむいた。冷たさから生まれるのではない沈黙もあるのだと、突然分かった。人は時に、下手な説明をすれば愛する人をもっと傷つけてしまうのではないかと恐れて、黙ることがある。
名を与えられた道
洪水の後、村人たちは集まって石の道を修繕することにした。竹を提供する人、砂を持ってくる人、茂みを刈り払う人。以前は新しい道をバイクで走ることしか知らなかった若者たちも、石を詰め、排水溝を造る方法を学ばなければならなかった。子どもたちは大人について歩き、苔の下に隠れた刻印を興味深そうに探した。
アンは、道の物語を記録する帳面を作ろうと提案した。彼女は村の年寄り一人ひとりに、誰が力を貸したのかを尋ねて回った。名前を覚えている人もいれば、菅笠や食事の包み、あるいは山の斜面から聞こえてきた歌声だけを覚えている人もいた。アンは聞いたことをすべて書き留めた。まだ十分に確かめられない細部も含め、伝えられた記憶であることが分かるよう、注意深く印をつけた。
作業中、彼女は道の最後の区間に石板が一枚足りないことに気づいた。洪水で石が溝へ滑り落ちたのだ。ラムは、その部分も歩けるのだから取り替える必要はないと言ったが、アンは新しい石板を探すと言って譲らなかった。彼女はみんなに運び上げてもらい、それから祖父にのみを渡した。
「誰の名前を刻むの?」
ラムはアンを見て、ほほえんだ。
「今回、道を直した人たちの名前だ」
アンは首を横に振った。
「私は一つの言葉を刻みたい」
彼は彼女にのみを渡した。アンは腰を下ろし、石の表面にゆっくりと文字を刻んだ。「この道は、後から来る人のためにある」。
この道があとどれほど残るのか、誰にも分からない。いつか、もっと便利な別の道が造られるかもしれない。石は再び苔に覆われ、木々はまた道の脇まで伸び、刻印は日差しや雨にさらされて少しずつ薄れていくだろう。それでも洪水の後からは、村人たちは通り過ぎるたびに歩みを緩めるようになった。古びているように見えるものでも、いざという時には人を救えるのだと、彼らは思い出すのだった。
アンも、なぜ道を手入れしなければならないのかと、祖父に尋ねることはなくなった。その答えは、名を呼ばれることのなかった足跡の中に、誰にも感謝されることを待たずに働いた人々の手の中に、そして、来るかどうかも分からない日のためのひそかな備えの中にあるのだと、彼女には分かっていた。
何年も後、ラムが亡くなると、アンは丘の斜面にある家の鍵を預かる人になった。毎朝、彼女は石の道の上の葉を掃いた。天気のよい日には、村の子どもたちが彼女についてきて、話を聞いた。大雨の日には、大人たちが排水溝や石板を一つひとつ点検した。
もう誰も、そこをラムおじいさんの道とは呼ばなかった。村の道と呼んだ。多くの人の思いによって築かれたものは、最後には一人だけのものではないからだ。それは、石を一つ、食事を一食、労働の一日、ひと言の注意、あるいは、道が消えないように保つための忍耐を差し出したすべての人のものだった。
そして、ほとんど人の通らない道をなぜ守らなければならないのかと誰かに尋ねられるたび、アンは足元の石板を指して答えた。
「それを必要とする人が、いつ来るのかは決して分からないからです」


同じカテゴリーの記事
言いそびれたことの地図
家の軒先にある空いた椅子
灯守と闇のない道
小さな約束が家族の温かなリズムをつなぎ留める
食卓の時間がゆっくりになると、家族の距離が近づく
路地の奥で消えない灯り
同じジャンルの記事
継母と継子