なぜ人類社会では常に戦争が勃発するのか？

戦争は歴史的な偶然でも、単に数人の好戦的な指導者の結果でもありません。人類の歴史を深く見つめれば、戦争はさまざまな形と理由で、定期的かつ繰り返し現れていることがわかります。原始的な部族間の争いから世界大戦まで、宗教紛争からイデオロギー戦争まで、領土争いから資源戦争まで、戦争は文明の発展と並行する「固有の闇」であるかのようです。

その逆説は次の通りです。人類が文明化すればするほど、戦争はより巧妙で悲惨なものになります。哲学、宗教、法律、道徳を持つほど、人間は前例のない規模で暴力を正当化する能力を高めていきます。これは、戦争が単なる政治的または経済的な問題ではなく、非常に複雑な精神的、心理的、哲学的な深さを持つ現象であることを示唆しています。

なぜ戦争が常に勃発するのかを理解するには、戦争を単なる出来事としてではなく、人間の内面の集合的な表出として捉える必要があります。

宗教的視点から見た戦争：悪が神聖な外套をまとうとき

ほとんどの主要な宗教は戦争を奨励しておらず、多くの宗教は愛、慈悲、不殺生に基づいています。しかし、歴史は宗教がしばしば戦争に引き込まれたり、暴力を正当化する道具として利用されたりしてきたことを示しています。

キリスト教では、特に中世において、「正戦（Just War）」の概念によって戦争が正当化されました。十字軍はその典型的な例であり、人々は「神の意志」に奉仕するならば、殺戮が神聖な行為になり得ると信じました。宗教的信念が政治権力と結びつくと、戦争は人間同士の衝突ではなく、「正義」と「異端」の戦いに格上げされます。ここでの危険性は、敵が神への反逆者と見なされるとき、彼らを滅ぼすことは通常の道徳に縛られなくなることです。

イスラム教における「ジハード」の元々の概念は、より良くなるための内的な闘争を意味していました。しかし、誤って解釈されると、それは宗教戦争の象徴となり、暴力が神聖な義務と見なされます。同様に、古代ユダヤ教では、旧約聖書における戦争はしばしば、選ばれた民を守るための神からの直接の命令として描かれています。

仏教は、慈悲と不殺生の精神で知られていますが、完全に無縁ではありません。歴史上、多くの王朝や運動が仏法の名の下に権力、領土、または民族を守るために動きました。これは、宗教自体が戦争を生み出すのではなく、人間の貪（とん）、瞋（じん）、癡（ち）（貪欲、憎悪、愚痴）に支配されるとき、集団的な暴力の強力な触媒になり得ることを示しています。

黙示録における戦争：内面の退廃の象徴

キリスト教の黙示録では、戦争は終末の時代の兆候として現れます。戦士、流血、国が国と戦うイメージは、単なる預言的な意味だけでなく、深い精神的な象徴を持っています。黙示録は、単なる物理的な戦争について語っているのではなく、人間の貪欲、恐れ、傲慢が極限に達したときの、人類の退廃の状態を反映しています。

黙示録の四騎士は、征服、戦争、飢饉、死の象徴として解釈されることが多いです。注目すべきは、戦争が単独で存在するのではなく、常に経済危機、飢餓、生命の破壊を引き起こすことです。これは、戦争が人を殺すだけでなく、生存の秩序全体を破壊するという法則を反映しています。

黙示録を精神的な視点から見ると、戦争は内なる戦いの外面的な現れです。人々が内省する能力を失い、良心と慈悲とのつながりを失うとき、暴力は社会の共通言語になります。したがって、黙示録は未来への警告であるだけでなく、現在を映す鏡でもあります。

精神的視点：なぜ人間は戦争に魅了されるのか？

最も不快な問いの一つは、戦争がそれほど悲惨であるにもかかわらず、なぜ人間はそれに魅了され続けるのか？なぜ戦争は常に注目を集め、強い感情を刺激し、時にはロマンチックにさえなるのか？

精神的な視点から見ると、戦争は人間の最も深い本能を呼び覚まします。それは、道に迷った個人に意味、アイデンティティ、目的の感覚をもたらします。戦争の中では、人々は内面の空虚に直面する必要がなくなります。なぜなら、彼らには明確な敵、犠牲にするべき理想、そして信じるべき物語が与えられるからです。

戦争はまた、浄化の幻想を生み出します。多くの文化は、戦争を社会を「刷新」し、弱いものや悪いものを排除し、秩序を再確立する方法と見なします。これは、破壊と再生を、暴力と救済を同一視する危険な誤解です。

より深いレベルでは、戦争は人々に個人的な責任を放棄させます。暴力が集団化されるとき、各個人は自分が機械の一部に過ぎないと感じ、それによって罪悪感を軽減します。精神的な衰退とは、人間が良心に問いかけるのをやめ、道徳を群衆に委ねるときに起こります。

心理学的視点：戦争と貪・瞋・癡、嫉妬

仏教では、すべての苦しみは貪（とん）、瞋（じん）、癡（ち）から生じるとされています。戦争は、これら三毒の最も明確な集合的表出です。

戦争における貪欲は、土地や資源だけでなく、権力、支配、優越感への渇望でもあります。戦争を仕掛ける国々は、しばしば安全保障によって正当化しますが、その背後には地位を失うことへの恐れと支配への渇望があります。

戦争における瞋恚（憎悪）は、プロパガンダ、偏見、歴史的な恨みによって育まれます。敵は非人間化され、悪の象徴に変えられます。そうなると、殺戮はもはや罪とは見なされず、義務になります。

愚癡（無知・迷妄）は、戦争が社会の根深い問題を解決できると人々が信じる点で現れます。歴史は、戦争が新たな苦しみの連鎖を生み出すだけであることを示していますが、集団的な迷いの中では、理性が感情によって覆い隠されます。

嫉妬も、特に現代において、無視できない役割を果たします。国家間、文明間、イデオロギー間の比較は、戦争を集団的な自己を主張するための道具にします。国家のエゴが膨張するとき、平和はもろくなります。

人間の戦争は自然界の紛争よりも悲惨なのか？

自然界では、種間の紛争は通常生存に基づき、明確な限界があります。動物は、生存の必要性を超えて殺戮することはめったにありません。彼らは恨みを蓄積したり、イデオロギーを構築したり、永遠の復讐のために歴史を記憶したりしません。

人間は異なります。知性と抽象化能力のおかげで、人間は個人的な紛争を地球規模の戦争に変えることができます。人間は大量破壊兵器を製造する方法を知っており、効率的な殺戮機構を組織する方法を知っており、そして最も重要なことに、道徳、科学、宗教の言葉を使って暴力を合法化する方法を知っています。

人間の戦争が悲惨なのは、それが肉体を破壊するだけでなく、環境、文化、記憶、そして未来をも破壊するからです。ある種の動物が何世紀にもわたる死の土地を残すことは決してありませんが、人間は可能です。

最も恐ろしいことは、人間は結果を意識しているのに、継続することです。これは生存本能ではなく、意識の歪みです。