手放すことはあきらめではない
多くの人が「手放す」と聞くと、「あきらめる」「どうでもいいと思う」「責任放棄」と誤解しがちです。
しかし本当の手放しとは、人生から何かを追い出すことでも、感情を無視することでもありません。
手放すとは、執着を手放し、過剰な期待を緩め、自分ではどうにもできないことを手放すこと。
そうして心が自由で穏やかになるのです。
たとえば、誰かに傷つけられたとき、悲しみや怒りを感じるのは当然です。
でもその感情をいつまでも握りしめていると、自分自身を苦しめることになります。
忘れるのではなく、その苦しみに支配されないことを選ぶのが、手放すということです。
「解き放つ」とは成熟した内面の表れ
仏教から学んだことによると、手放すことは心が欲望を抱いたり乱されたりすることを防ぎ、意志を開き、物事を見つめ、宇宙の運行を理解するのに役立ちます。そこから、考えや思考、知識が浄化されるのです。
「解き放つ(捨)」とは、執着しない心のこと。
感情や状況に振り回されないことです。
ただし、手放すにはまず、自分が何に執着しているのかを見つめる必要があります。
見つめたうえで手放すことができてこそ、心は本当に軽くなるのです。
「解き放つ」は無関心とは違います。
むしろ、何を持ち、何を手放すべきかを理解している、成熟した内面の力なのです。
なぜ人々は「手放す・捨」を誤解するのか?
- 人間は本能的に執着する:たとえ苦しみでも、手放すのは不安になるから。
- 手放すことは弱さに見える:競争社会では、あきらめや敗北と捉えられがち。
- スピリチュアルの誤解:「捨」は人生から離れることだと誤解されやすいが、実際は愛と責任を持ちつつ、感情や欲に縛られない生き方。
手放す・解き放つための実践法
- 感情を観察する:怒り、悲しみ、嫉妬……何を握りしめているのか?
- コントロールできないことを受け入れる:他人の思考や人生の浮き沈み。
- 許すこと:他人も、自分も。許しは未来を変える力を持っています。
- 深く呼吸する:意識的な呼吸は、心を静けさへと導いてくれます。
結びに
手放すとは、失うことではなく、自由になることです。
「捨」とは、人生を投げ出すことではなく、より豊かに、しなやかに生きること。
それは一日でできることではないけれど、少しずつ自分を理解し、愛することで、私たちは本当の安らぎへと近づくことができます。


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