小さなホタルと道しるべの灯り

緑豊かな森のはずれに、小さな草原がありました。夜の帳が下りるたび、そこには何百匹ものホタルが、小さな星の粒のように飛び上がります。ホタルたちはいつも年老いたオークの木の根元に集まり、おなかから放つ柔らかな黄色い光を競うように見せ合っていました。

その群れの中に、ビムという名のホタルがいました。ビムの光はとても小さなものでした。ほかのホタルのお兄さんやお姉さんたちが、葉っぱ一枚をはっきり照らせるほどの光の輪を放つのに対し、ビムの光は、目の前の草一本をきらめかせるのがやっとでした。そのため、ホタルたちが輪になって飛ぶ遊びをするとき、ビムはいつも静かに後ろを飛んでいました。

ある晩、ビムはシダの葉の上に座り、仲間たちが楽しそうに遊ぶ様子を悲しげに眺めていました。

「ぼくの光は小さすぎるよ」と、ビムはため息をつきました。「道を照らすこともできないし、森を明るくすることもできない。ぼくは何の役にも立たないのかもしれない。」

群れの中でいちばん長く生きているおばあさんホタルが、それを聞きました。おばあさんはゆっくりとビムのそばへ飛んできて、草の茎にとまりました。

「そんなふうに、急いで考えてはいけませんよ」と、おばあさんは言いました。「大きな灯りは道全体を照らせるけれど、小さな光だって、次の一歩を見えるようにしてあげられます。ときには、安全な一歩を踏み出せることだけでも、とても大切なのですよ。」

ビムはおばあさんの言葉を聞きましたが、まだ本当には信じられませんでした。自分の明滅する光を見つめ、それから果てしなく暗い空を見上げました。こんな小さな光が、いつになったら誰かの役に立てるのか、ビムにはわかりませんでした。

夜の中の呼び声

その夜、丘のほうから吹き下ろす風は、いつもより強く吹いていました。雲が月を隠し、森はたちまち闇に沈みました。動物たちは次々に家へ戻り、ホタルの群れもいつもの茂みへ飛んで帰りました。

ビムが丸まった葉っぱの中にもぐり込んで眠ろうとしていたとき、森のはずれのほうから、とても小さな物音が聞こえてきました。

「誰かそこにいるの?」

声は震え、途切れ途切れでした。ビムはその音を追って飛んでいき、シダの茂みのそばに立っている小さなハリネズミを見つけました。ハリネズミの背中には乾いた葉っぱが何枚か引っかかり、目は大きく見開かれて、不安そうにしていました。

「きみの名前は?」とビムが尋ねました。

「ぼくはチビトゲ。小川の近くに落ちた松ぼっくりを探しに行ったんだけど、帰るときには道がわからなくなっていたんだ。ずっと歩いているのに、お母さんの巣穴が見つからないんだ。」

ビムはあたりを見回しました。暗闇の中では、高い木々の幹はどれも同じように見え、草むらは絡み合って厚い壁のようになっていました。ハリネズミの家族が暮らす場所へ続く道は、この窪地の向こう側にありましたが、ここからでは道筋がよく見えません。

「怖がらないで」と、ビムは言いました。心の中では少し不安でしたが、「ぼくがきみの道を探すのを手伝うよ。」

チビトゲはビムを見て、ためらいながら言いました。

「でも、きみの光は小さすぎるよ。道が見えるかな?」

その質問を聞いて、ビムは黙り込みました。それは、ビム自身がいつも自分に問いかけていることでもありました。それでも、震えているチビトゲの小さな足を見て、ビムは友だちをひとり残していきたくありませんでした。

「ぼくの光で森全体を照らすことはできないかもしれない」と、ビムは言いました。「でも、一度に少しずつ照らすことはできる。ぼくの後について歩いてきて。」

小さな足取り

ビムは低く飛び、できるかぎり強く光を放とうとしました。ビムの光で見えるのは、数枚の葉っぱと石ころひとつ、それに地面から浮き出た根っこだけでした。チビトゲはとてもゆっくり歩き、ビムの光が明滅するたびに、片足を一歩前へ踏み出しました。

「ここに木の根があるよ」と、ビムが注意しました。

チビトゲはそれをまたいで進みました。

「前に小さな泥たまりがある。左側を通ってね。」

チビトゲは言われたとおりに歩き、足を滑らせずに済みました。

そうして二人は、道を少しずつ進んでいきました。ビムはときどき高く飛び上がって見覚えのある印を探しましたが、濃い闇のせいで、重なり合う木の枝しか見えませんでした。強い風に吹かれて、小さなビムの体がよろめくこともありました。ビムは葉っぱにしがみつき、少し休んでから、また進みました。

それを見たチビトゲが言いました。

「きみは疲れているんだね。朝まで待ってもいいよ。」

ビムは静まり返った森を見つめました。チビトゲのお母さんは、きっと心配しているはずです。もし見知らぬ場所で二人が休んでしまったら、翌朝になっても、自分たちがどこにいるのかわからないかもしれません。

「まだ歩けるよ」と、ビムは答えました。「ゆっくり進もう。」

二人が広い地面に出ると、ビムは、柔らかな土の上にハリネズミの足跡がいくつも残っていることに気づきました。チビトゲは身をかがめて匂いを嗅ぎ、声を上げました。

「家族の匂いだ! きっと巣穴はこの近くだよ。」

しかし、そのとき大きな風が吹き抜けました。乾いた葉っぱがあたり一面に舞い、足跡を覆い隠してしまいました。チビトゲはまた困ってしまいました。ビムは周りを飛び回り、別の手がかりを探しました。前方には三つの分かれ道があり、どの道も真っ暗でした。

「どっちへ行けばいいのかわからないよ」と、チビトゲは泣き出しそうな声で言いました。

分け与えられた光

そのときビムは、おばあさんホタルの言葉を思い出しました。小さな光でも、誰かが次の一歩を見つける手助けができる。三本の道を全部照らす必要はありません。いちばん近くにある手がかりを、一つずつ見つければよいのです。

ビムは左の道へ飛んでいきました。何度も明滅しながら、目を凝らします。茂みの下に、かじりかけの栗の殻が落ちていました。ハリネズミは食べ物として栗を拾いますが、チビトゲはこの殻を見たことがありませんでした。

ビムは真ん中の道へ飛びました。そこには、大きな葉っぱが横にこすられたようになっていて、葉の表面には茶色い毛が何本か付いていました。

「これはハリネズミの毛だ!」と、チビトゲは歓声を上げました。「家族はこの道を通ったんだ!」

二人は真ん中の道を進みました。ほどなくして、ビムは木の根元に白いキノコが一列に生えているのを見つけました。チビトゲは、それが自分の巣穴の近くにある見慣れた目印だと言いました。しかし、前方には茨の茂みが生い茂っていて、巣穴はまだ見えませんでした。

チビトゲは近づきましたが、すぐに後ずさりました。

「茨の向こうが家かもしれないけど、ぼくには通り抜けられないよ。このトゲは鋭すぎるもの。」

ビムは飛び上がり、茨の茂みの中に、細い隙間があることに気づきました。体を低くすれば、子どものハリネズミが通れるほどの隙間です。ビムは先に飛び込み、チビトゲがトゲを避けられるよう、一枝ずつ照らしました。

「ゆっくり進んで。右側に尖った枝があるよ。今度はこの根っこの上に足を乗せて。そう、その調子。もうすぐ茂みを抜けるよ。」

チビトゲは言われたとおりに進みました。茨の茂みを抜けると、聞き慣れた呼び声が聞こえてきました。

「チビトゲ! どこにいるの?」

それはチビトゲのお母さんの声でした。お母さんハリネズミは巣穴の入り口に立ち、心配そうに暗闇を見つめていました。チビトゲは大急ぎでお母さんのもとへ走りました。母と子は抱き合い、背中のトゲが喜びでかすかに揺れました。

「ビム、助けてくれてありがとう」と、チビトゲは言いました。「きみがいなかったら、どうしていいかわからなかったよ。」

お母さんハリネズミも、小さなホタルに頭を下げてお礼を言いました。そしてビムを巣穴の入り口で休ませ、贈り物として赤い実を一つ渡しました。ビムはその贈り物を見つめ、自分のおなかの光よりも温かなものを、胸の中に感じました。

ビムが気づいたこと

ビムが草原へ戻るころには、空はもうすぐ明るくなろうとしていました。ホタルの仲間たちは心配そうにビムを待っていました。ビムが起きたことを話すと、みんなは熱心に耳を傾け、おばあさんホタルは優しくほほえみました。

「これで、もうわかったかい?」と、おばあさんは尋ねました。

ビムは、自分の体の上で明滅している小さな光を見つめました。

「はい、わかりました。役に立つために、いちばん大きな光である必要はないんですね。大切なのは、誰かが必要としているときに、進んで光を照らせるかどうかです。」

その日から、ホタルの群れが遊びに飛び立つとき、ビムはもう後ろに隠れなくなりました。ビムの光は相変わらず群れの中でいちばん小さかったけれど、仲間たちが低い草むらを通る道を見つけられるよう、いつも注意深く飛びました。誰かが自分はほかの人ほど上手ではないと思って悲しんでいるとき、ビムは、チビトゲを家へ連れて帰った夜の話をしてあげました。

チビトゲのほうも、おいしい松ぼっくりを拾うたびに、一つを年老いたオークの木の根元に取っておきました。それは、夜の中で道を見つけるのを助けてくれた友だちへの、小さな贈り物でした。

それからというもの、森にはかわいらしい習慣が生まれました。小さな動物が迷子になると、みんなはとても大きな奇跡を待つことはありません。スズメは木の枝に残る跡を探し、子リスは栗の匂いを思い出し、お母さんハリネズミは大きな声で呼びかけ、ホタルの群れは道を案内する光の列になって飛びました。

誰もが、それぞれの力を持っています。遠くまで見える人もいれば、音をよく聞ける人もいます。道を覚えるのが得意な人もいれば、小さな小さな光しか持っていない人もいます。みんなが自分にできることを使って助け合えば、森はずっと温かな場所になるのです。

だから、もしある日、自分は小さすぎるとか、ほかの人ほど上手ではないと感じたら、ビムのことを思い出してください。よい行いは、決して大きく立派である必要はありません。道を教えるひと言、差し出す手、辛抱強く待つひとときも、不安を抱えている人にとって、道を照らす光になることがあるのです。